音楽とその時代
最終更新日:

今回の話題は「音楽とその時代」です。
まず、その話を進めるに当たって、前提となるキーワードをひとつ説明しておきたいと思います。
そのキーワードはレコード、CDです。
文中でオリジナル音源といった場合は、アーチストが最初にスタジオ等でレコーディングしリリースしたレコード、CDを指します。
それに対して、ステージやコンサートなどでのライブ録音や再録音のレコード、CDなどはその他音源と便宜上表現させていただきます。
それでは、以上を前提にお話を進めていきたいと思います。
さて、ボクは音楽を聴くことが大好きなので、これまで音楽関連の投稿をいくつも行ってきました。
例えば、「ある曲のアーチストごとの聴き比べ」といった軽いものから、「音楽鑑賞スタイルの変遷」や「日本におけるスタンダードナンバー」といったチョッと堅苦しいものまで題材として採り上げてきました。
そうした時、いつも頭の片隅にあったのが、オリジナル音源とその他音源と、どちらが貴重なのかという問いでした。
人によっては、「比較すること自体がナンセンスで、ファンにとってはどちらも貴重」と一蹴されそうですが、ボクはその点にコダワってきました。
結論から言えば、ボクは音楽はやはりオリジナル音源が一番だと思っています。
でも、ある人は次のように疑問を呈するかもしれません。「オリジナル音源つまりレコードは何度も収録した音源を、良いところをつなぎ合わせて作っているのだから、オリジナルと言えるのか?」と。確かにそうかもしれませんが、ボクらレコードの音源でファンになったのですから、やはりこの音源にコダワリたいのです
昭和のあの時代、ボクたちは有線放送から流れてきた井上陽水の「心もよう」を聴き、忽ちファンになったのを強烈に覚えています。それまで何も知らなかったアーチストのラジオから流れてくる曲を聞いて、あるいはレコードを聴いて感動しファンになったのですから、そこが原点、出発点なのです。
仮にそのアーチストがキャリアを重ねデビュー当時より歌唱力が増し、ベテランと呼ばれるようになったとしても、ボクにとっては前述したオリジナル音源が最高であり、それに勝るものはないのです。あの陽水でさえ「心もよう」はあのシングル盤のレコードがボクにとっては一番なのです。
ボクは頭が固いから、いつもこんな風に考えてしまいます。
ある意味、ファンとしては冷たいのかも知れません。ある人に言わせれば「ファンとはズーッとそのアーチストを追いかけるもの、応援してゆくもの」だそうです。
ですが、ボクはかつてファンだった大物ミュージシャンが、何十年ぶりに全国ツアーを行うなって聞いたとしても、興味はまったく沸きません。そんなケースではマスコミは大々的に宣伝しますが、そんな媒体を目にしても、むしろボクは「今更コンサートなんて、恐らく観客は疎らだろう」なんてネガティブな想像をめぐらしてしまいます。
実際は、ボクの想像とは裏腹に、かつてのファンが大勢集まり、コンサート会場は大変な賑わいなのだそうです。

しばらく前に、ウチの奥さんが稲垣潤一のコンサートへ行ってきて、そんなことを言っていたので、とても意外で驚きました。とは言っても、観客の多くはかつての若者、いまはご老体の男女が多かったようで、若い人はほとんどいなかったそうです。稲垣潤一の場合は、かつての歌唱力に近かったようですが、歌手によってはそうでもない方がいらっしゃるようです。
それでも、知人曰く、真のファンは決して落胆せず、見捨てず、ファンであり続けるのだそうです。建築物に対して、経年変化(劣化では決してありません)を楽しむなんて表現がりますが、それと同じなのでしょうか。ボクは到底信じられませんが、何ともファンとは有り難いものですネ。
こうした点が、ボクが冷たいと言われる所以らしいのですが、百歩譲ったとしてもボクは上記のようなファンにはなれそうにありません。
ただ、そうしたベテランアーチストを全面的に否定している訳ではなくて、現在の彼らは受け入れられませんが、かつてのレコード、CD等に刻まれた彼らのパフォーマンス(レコードやCD)には感動し続けています。あの頃の記憶は当時のままで絶対的なものですから。
これから申し上げる例が適切かどうかわかりませんが、例えばユーミンの場合を考えてみましょう。
恐らく、ボクは彼女と同年代だと思いますので、同じ時代を生きてきて考え方など共有できる部分はかなりあると勝手に思っています。
彼女の作る歌詞やメロディーは独創的で、あの頃は憧れだったし、感動したし、共感できました。
荒井由実の時代、ファーストアルバム「ひこうき雲」から、彼女は年一枚か二枚のペースでアルバムを出していました。ボクも欠かさず買い続けてきましたが、90年代初期のアルバムを最後に購入をストップしました。当時はアルバムの内容など構わずに、荒井由実(ユーミン)のアルバムなら無条件に買っていたのですが、それは洋楽のサンタナの場合も然りでした。

内容にかまわず、そのミュージシャンのニューアルバムは必ず買うという、こうした購入の仕方は、マニアとして当然だと思っていました。集め続けていると欠番は許されないという強迫観念というか、チョッと宗教めいたところもあったりして、いまは決して推奨はできません。バカげたことだと思いますが、これもまた青春の一ページだったのでしょう。
90年代に購入を止めたのも、その時点のボクの嗜好と彼女の楽曲との間に共感できる部分がなくなったからだろうと、自分なりに分析していますが、ボク自身がもはや青春ではなくて「おっさんの仲間入り」したことも大きな要因なのだと思っています。
思うに、音楽というのはその時代背景がとても大切なのだと思います。何故なら、自宅で懐かしのレコードを聴くときもそうですが、ラジオなどで当時の音源で流れてくる曲を聴くと、忽ちボクたちはその曲が流行った時代にタイムスリップできるのですから。
これは前述した何十年ぶりのコンサートでは味わうことができない現象ではないかと、ボクは個人的には強く感じています。
やはり、ここでもオリジナル音源が重要なのです。

レコーディング時のオリジナル音源とコンサートの時のライブパフォーマンスのその他音源では、バックの演奏、アレンジなどあらゆる点で相違していますし、何よりもアーチスト本人の歌い方、歌唱力が完全に違うのですから。
ちなみに、ジャズの場合はスタジオ録音のオリジナル音源盤は勿論ですが、ジャズ音楽本来の味わいはアドリブにあるのでライブ盤でもOKなのです。むしろ、スタジオ録音のものよりライブ盤の方がスリリングで評価が高いものもあるのですから。これにはボクも同感です。
そんな訳で、ボクは音楽が大好きなので、家にいるときはいつも音楽をかけていることが多いです。
主に、クラシック、ジャズですが、かつてのポップスやニューミュージックなども聴きます。
そんな時は、冒頭で申し上げたオリジナル音源で聴くことにしています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
from DaVinci-like
◇本文の中で触れた筆者の音楽関連の記事に興味がありましたら下記記事を参照ください。
・音楽聴きくらべ_001「The Windmills Of Your Mind ( 風のささやき)」
・音楽聴きくらべ_002「Antonio's Song アントニオの歌(邦題)」
・音楽聴きくらべ_003「Cinema Paradiso ニュー・シネマ・パラダイス」
・ジャケ買い天国: シリーズ第一弾はマドンナ「ライク・ア・ヴァージン」
・ジャケ買い天国: シリーズ第2弾 ビル・エバンス&ジム・ホール「Undercurrent」

