記憶の秘訣 ~ ゲマインシャフトとゲゼルシャフトからの発想~

最終更新日:

記憶と努力

先日、新聞の書籍コマーシャル欄で「ゲマインシャフトとゲゼルシャフト」というタイトルの書籍を見つけた。
そのタイトルはわが耳には懐かしく響く専門用語であり、確かに聞き覚えのある響きだった。
それは「見つけた」という表現よりも「再会した」と言った方がその時の心境を考えると適切だろう。

Gemeinschaft & Gesellschaft
ゲマインシャフトとゲゼルシャフト

テンニエスというドイツの社会学者の著書「ゲマインシャフトとゲゼルシャフト」で、1987年に刊行された古典の縮約版として最近発行されたものらしい。
「ゲマインシャフトとゲゼルシャフト」が何なのかは正直なところ完全に忘れていたが、確かに以前聞いたことがある音の響きだというこだけは記憶にあった。

そして、その再会の瞬間、私の思いは中学か高校の学生時代へ一気にタイムスリップした。
気になって後で調べてみると、この「ゲマインシャフト」と「ゲゼルシャフト」という用語は、高等学校の倫理社会辺りで出てきたようである。とすると、この再会はおよそ半世紀ぶりということになる。果たしてこの約50年の間、私の生活において一度もこの用語たちは出てこなかったのか、それすらも覚えていないのだが。それはある意味、私の実生活において必要ない用語だった訳だから、私のこれまでの実生活の環境、教養レベルはかなり低いものだったということになる(笑)。

それでは「ゲマインシャフトとゲゼルシャフト」とはいったいどのような意味なのだろうかと、名誉挽回の意味もこめて調べることにした。
勿論、この場でその解説を長々とするつもりは毛頭ないし、そもそも私は社会学者でもないのでできない。
とは言うものの、イントロを聞いてしまった音楽のように、その後の展開が気になるのは人情である。
だが大学時代、社会学部に知り合いがいて、その人間が適当な男だったことに起因して、社会学には気の毒だがいささかの偏見があったから、積極的に調べたくはなかったのだが、いまはAIがあるではないか。
手短にChatGPTに尋ねてみると、以下のような回答が返ってきた。

社会学の基本概念である ゲマインシャフト(Gemeinschaft) と ゲゼルシャフト(Gesellschaft) は、ドイツの社会学者 フェルディナント・テンニース(Ferdinand Tönnies) が提唱した社会関係の二分類。
高等学校:「現代社会」または「倫理」などで登場。

高校の「現代社会」や「倫理」科目の中で、社会の成り立ちや人間関係の変化を学ぶ際に、テンニースの理論が紹介されます。
特に「共同体から社会へ」という流れを説明する文脈で登場します。

例:

伝統的な村落社会や家族関係 → ゲマインシャフト

都市的・産業社会・契約関係 → ゲゼルシャフト

と説明されていた。


この場で社会学の講義をするつもりはないので、「ゲマインシャフトとゲゼルシャフト」の話題はここまでだが、
この解説を読み、私のぼやけた記憶は鮮やかに甦った気がした(?)。

当時は、聴きなれない長ったらしい外来語を、キャパの狭いわが頭脳はこの間ずっと片隅にしまっておいてくれた訳だ。
わが頭脳に感謝である。
とは言っても、言葉だけは覚えていても、内容を完全に忘れていたのだから情けない話ではある。
この時、チョッとした悲哀を味わったが、得るものもあった。瓢箪から駒である。

言葉(用語)というものは、特に難しい用語は「対」つまりセットで覚えることが、記憶としては有利であると悟ったのだ。
一見、余計に覚えなければならないので非効率に思えるが、脳へのインパクトは強いのかも知れない。
まさに、急がば回れそのものだ。
その証拠に、今更ながらスラスラとこのふたつの用語を発音することが出来たのだから。
「独断と偏見」「ルネサンスと宗教改革」や「マルクスとエンゲルス」「ペレアスとメリザンド」などもその好例になるのかも知れない

更に、記憶の秘訣としては、英語の単語を覚えるのに「反対語も一緒に覚える」という説が学生の頃どこからともなく広まった方法だったが、この方法も自身の経験からすると語彙力アップに効果的だったように思う。
それに関連して思い出すのが「R&D」という事例である。

「R&D」とは、かつて多くの企業が創業時や社名変更のときに社名の後に「R&D」と付けたという一種の接尾語である。
「R&D(アールアンドディー)」とは「Research and Development(研究開発)」の略で、イノべーションなどを掲げる企業は、
当時好んで採用した流行フレーズでした。
ここでもお分かりの通り、Researchが研究でDevelopmentが開発という意味で、一挙に2つの英単語を覚えたことになる。
これぞまさしく一挙両得と言えるだろう(笑)。
蛇足だが、「R&D」が流行る以前、みなさんもご存知のゼロックス「xerox」(後に富士ゼロックス)というアメリカの複合機メーカーが日本に上陸し、コピー(複写)機業界のトップクラスだった時代があった。その当時、多くの企業が自社名を「***x」と語尾に「X」を付けることがトレンドだったこともあった。

冗談はさておき、久々に出合った「ゲマインシャフトとゲゼルシャフト」という用語から、私の脳内は上述したような事柄が駆け巡り、話題はどんどん拡張していった訳だ。
言葉、その中でも特殊な用語というものは、時として「音楽」と同様に、私たちを一瞬にしてかつての時代へ導いてくれるのだとしみじみと感じた次第である。ありがたいことだ。

最近は、かつての映画俳優の名前がなかなか出てこないことに、かなり苦労している毎日だ。先日も名優「モーガン・フリーマン」の名前が出てこず一苦労した。
たかが映画俳優の名前と軽視しがちだが、年寄りにとって事は深刻なのである。
こんな時は必ず、解決した状態(名前を思う出す)で収めなければいけないのだ。
認知という「二文字」が身の回りでうろついているからだ。

それでも、上記の俳優の名前の件で言えば、別の俳優との関係や語呂合わせのような方法で、思い出す「きっかけ」を作ったり、俳優名を書いた付箋などをしばらく目のつく場所に貼っておくなど、徒労かも知れないが努力はしている。
新たなことを覚えるよりも、既知の事柄を維持することの方が、いまの私にとっては拙速の課題なのかも知れないと思って。

最後までお読みいただきありがとうございました。
from DaVinci-like

\ 最新情報をチェック /

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です